2015-01-05 14:00
2014年に観たアニメーション映画でよかったものを2つあげるなら、「かぐや姫の物語」と「ベイマックス」になるだろうか。これらの2つの作品はとても対照的であるのだが。
まず「かぐや姫の物語」は、興業収入こそふるわなかったようだが、個人的な去年のベストである。
なんといっても表現が圧倒的だ。一言で言えば「美しい水彩画がアニメーションで生きいきと動く」のだ。こんなすごいものをこれまでに見たことがない。もちろん、表現は、テーマと卓越した演出と必然的に一体になっている。決して技術だけが突出しているのではない。
「かぐや姫の物語」は、アニメーション映画史上の金字塔として長く記憶されることになると思う。もし観たことがなければ、だまされたと思って一度ご覧になることをお勧めしたい。いや、ぜひ観てください。
もう一方の「ベイマックス」は、子供向け映画の体裁をとった、ギークによるギークのための痛快無比な娯楽作品である。
言いかえるなら、「ベイマックス」には、私のような「少年」が望む全てがある。ロボット、ギークの仲間、友情、思いのままに工作ができるガレージやラボ、技術的全能感、自由に空を飛行すること、ヒーローになること、などなど。
「ベイマックス」は娯楽作品ではあるけれど、それを支えるCG(コンピュータグラフィック)の技術の進歩にも目をみはらされる。特に、ライティングと空気遠近法(霞とか)の表現技術だ。結果、「ベイマックス」は、非現実のアニメーションの世界に視覚的な説得力(というか integrity)を与えることに成功している。サンフランシスコと東京をモチーフにしたと思われる都市の描写はとても美しい。
「ベイマックス」を劇場でご覧になるときは、エンドロールになっても席を立たないように。(お約束の?)イースターエッグ的シーケンスが映画の最後に挿入されているので。
なお、「ベイマックス」の本編の前に上映されるショートアニメーション「愛犬とごちそう」も秀逸なできだ。映像も演出もとてもいい。