Masakazu Yoshida

アベノミクス=日銀QEによる円安誘導に思う

2015-01-13 11:00

個人的には、アベノミクス=日銀QE(量的緩和)による円安誘導には、とても迷惑している。なぜ、わざわざ自国通貨の価値を毀損する必要があるのか。

教科書的にいえば、国家の主たる役割の一つは、国民の生命財産を守ることであり、中央銀行には、適切な金融政策を通じて国民の経済厚生を守るように行動することが求められているはずだ。マクロ経済的にも、通貨の価値は高く保って、海外の資産やモノやサービスを安く買えるようにするのが、長期的にみて「お得」だろう。

私には、アベノミクス=日銀QEによる円安誘導は、寒いからといって、自分の家に火をつけるような行為のように見える。一瞬、火が燃え上がり、少しは暖かくなるかもしれない。しかし、家を失しなってしまっては元も子もないではないか。さらに厳しい、にっちもさっちもいかない状況に追い込まれかねない。

火遊びをしながら、「俺は火を完全にコントロールできるから大丈夫だ」というのは、overconfidenceだと思う。

指をクロスさせて、「家が全焼する」ようなテールリスクが発生しないことを祈るしかない。